絵本の問題作?「おぞましい二人」読書感想文

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絵本作家エドワード・ゴーリー作「おぞましい二人」は、1960年代にイギリスで起きた5人の子供の惨殺事件を元に描かれ、1977年にアメリカで出版された大人向け絵本です。

内容があまりに悲惨で、不愉快なため、発売当初から非難が続出し、アメリカの読者からもずいぶん反感を買ったそうです。

確かに絵本ではあるのですが、その絵はモノクロで虚ろなものです。

少しの救いもなく小さな子供には見せないほうがいい内容なのに、私が行った書店では、なんと児童書のコーナーに配置されていました。

ところで、この本を手に取ったきっかけは、中田敦彦さんのYouTube大学で紹介されていたからでした。

「おぞましい二人」のあらすじ

ハロルド・スネドリーは、5歳にして病気の小動物を叩き殺しており、成人後は頻繁に本屋でポルノ本を万引きしていた。モナ・グリッチは酒浸りの両親のもとに産まれ、成人後は装身具売りの職につき、売り物にすぐ痛むよう細工をしていた。似た者同士のこの2人の男女は出逢い、犯罪映画を見るなど交際をするようになり、やがて共に暮らし始めた。
やがて2人は一生をかけた仕事として殺人を計画し、数か月かけた計画の末、1人の子供を家に誘って一晩かけて殺害し、土に埋めた。翌朝、つましい食事の後、殺した子供の写真をアルバムにおさめた。その後も2年をかけて3人の子供を殺害した。後にハロルドが殺した子供の写真を落としたことで罪が明らかになり、2人は裁判にかけられた。罪状は有罪だが精神疾患と診断され、2人は精神病院に入れられ、別れ別れとなった。
ハロルドは43歳で持病の肺炎により死亡。モナは生涯の大半を壁の染みを舐めながら過ごし、80歳を過ぎて死亡した。

引用元 : Wikipedia

モデルとなった実際の犯人は、女は60歳で死亡し、男は79歳で死亡したらしいです。

残忍な事件を起こした犯人達の幼少期から、成人となり、事件を起こし、死を迎えるまで、時系列に淡々と綴られています。

とても個性的な絵が、文章にとても合っています。

作者はどんな人なのだろうと、興味を持ちました。

ウィキペディアによると、

1925年 アメリカ シカゴに新聞記者の息子として生まれる

1943年 シカゴ美術館附属美術大学に入学するが一学期で退学

1943〜1946年 陸軍に服務

除隊後。ハーバード大学に入学、フランス文学を専攻

1950年〜1999年 アーティストとして活動。挿絵やブックデザイン、絵本作品、衣裳デザイン、アニメーション制作をする

1999年 最後の作品となる『The Headless Bust』出版

2000年4月15日、マサチューセッツ州の病院にて心臓発作で死去。75歳

子供の頃から猫好きで、生涯独身を通し、軍隊生活以外では生涯猫と共に暮らしたそうです。

Edward Gorey

とても穏やかそうな方ですね。

「おぞましい二人」は、作者が唯一どうしても書かずにいられなかったという作品ながら、その出版にあたっては書くことを躊躇し、葛藤し、原稿の前で長い時間を過ごしたものの『ソーホー・ウィークリー・ニュース』からの強い依頼により、執筆に至ったというものです。

50年以上も前に起きたイギリスの悲惨な事件が題材となっていますが、その残酷さに目を背けず、感情移入せず、冷徹に描きあげてしまう作者の表現力が、熱狂的なコレクターを惹きつけているのではないでしょうか。

読み終わった後に、「うわぁ〜」と言いたくなる、その感じ。多分ずっと忘れられない衝撃の絵本です。

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